ダブル 第06話

第一話／会社員の多家良（千葉雄大）はある日、街頭の呼び込みに誘われるまま、小劇場の公演を目にする。そこに出演していた友仁（永山絢斗）の芝居に魅了された多家良は、役者の道へ進むことを決意。一方、そんな多家良が役者として天性の才能を持つことに気付いた友仁は、彼を世に送り出したいと考える。

第二話／芸能マネージャーの冷田（桜庭ななみ）から、突然スカウトを受けた多家良。普段から身の回りの世話をしてくれる友仁に絶大な信頼を寄せる多家良は、その申し出にまったく乗り気でない。しかし、友仁からの後押しもあり、結局、事務所との契約を結ぶことに。その後、冷田は早速、ドラマ出演の仕事を取ってくる。友仁との役作りで自信を得た多家良だったが…。

第三話／人気俳優の九十九（堀井新太）と知り合い、親しくなった多家良と友仁。九十九から映画監督・黒津壮市（津田寛治）の新作映画のオーディションに出てみないかと誘われた二人は、早速、黒津の代表作をチェックする。その演出に魅了された二人は黒津の作品に出演したいと強く思い、お互いにオーディションを受けようと決意。そして迎えたオーディション当日。友仁は…。

第四話／念願の黒津監督作品への出演が決まった多家良。映画の撮影期間と舞台の稽古が重なってしまうが、稽古の代役を買って出た友仁は、「余計な心配はするな」と言って多家良を送り出す。撮影前の顔合わせで、多家良は共演者のアイドル・今切愛姫（工藤遥）と知り合い、親しくなる。そして、いよいよ撮影が始まり、多家良は友仁と二人で立てた演技プランで現場に臨むが…。

第五話／黒津の演出により友仁と作り上げた演技プランを壊され、途方に暮れる多家良。そんな多家良を黒津は敢えて突き放し、ますます追い込まれていく多家良。その夜、多家良の部屋を訪ねた愛姫は、役作りを捨て、監督に言われたことだけをやる人形になるべきだと多家良にアドバイスをする。翌日、再び本番を迎えた多家良は、愛姫の言葉通り人形になろうと考えるが…。

第六話／映画出演を経て一皮むけた多家良は、ドラマやCMに次々と出演し、次第に有名になっていく。仕事が忙しくなるにつれ、友仁とも疎遠になっていく。そんな中、多家良と愛姫が二人きりで食事をした様子がSNSで拡散され、多家良への脅迫めいた投稿もされる事態に。多家良は、友仁と住んでいたアパートを引っ越すことにする。一方、友仁の元に…。

第七話／多家良の元に、演出家の岐華江（神野三鈴）から舞台の出演依頼がやってくる。演目は『初級革命講座 飛龍伝』。つかこうへい作の三人芝居だが、共演は奇しくも九十九と愛姫だった。近頃、仕事に対してどこか冷めていた多家良も、この座組なら思う存分芝居をぶつけ合える、と気合いを入れる。そんなある日、仕事があると言って、九十九が稽古を早く切り上げる。

第八話／降板した九十九に代わって、多家良とともに『初級革命講座』の舞台に立つことになった友仁。その後、舞台の追加公演が決定するが、華江は追加分は多家良と友仁の役柄を入れ替えて公演を行うと言い出す。友仁から離れ、自立したいと考えていた多家良はその提案を拒絶、けいこ場を去ってしまう。その後。偶然再会した黒津に、ずっと心に秘めていたある思いを吐露する。

第九話／友仁に想いをぶつけた多家良。しかし、友仁は何事もなかったかのように過ごしている。そして始まった、追加公演のけいこ。友仁は人が変わったかのように芝居に打ち込んでいく。多家良はそれに影響されて友仁のお芝居に寄せて行ってしまう。愛姫にもそのことを非難され、追い込まれていく多家良。本番目前となった日、多家良は友仁を前に芝居ができなくなってしまう…。

最終話／声が出なくなり自宅から逃げてしまった多家良。愛姫はこの舞台が飛んでしまうのではと不安を隠し切れない。そんな愛姫に友仁は毅然として「俺たちは芝居のことだけで頭をいっぱいにしないと」と答える。一方、多家良はかつて友仁と過ごしたアパートにいた。友仁と出会い、二人で芝居に情熱を捧げてきた日々の記憶が蘇る。